「仁義なき戦い」をみて菅原文太にはまりそうや
こんにちは。
「仁義なき戦い」ってみたことありますか?
私は全くみたことなく、興味もなく、ただあの有名なSEしかしりませんでした。
そんな私先日、池袋の新文芸坐で「仁義なき戦い 5部作一挙上映 オールナイト」に行ってきたのです。(もちろん女1人で。悲しい。。)
実は私、学生時代から新文芸坐のアニメスタイル企画のオールナイト上映によく行っ
てました(99%1人で)ので、久しぶりに行くか~~という気持ちと、
私の勝手な考えなんですが、映画をみるものとして、否、日本人として「仁義なき戦い」って人生で絶対に1度は見なきゃいけないかなって、、、
そんなこんなで夜20:40~朝6:15まできっちり見たのですが、まぁこれがおもしろいおもしろい。
この作品は実話の手記が原作だったりなどの詳細は、既にたくさんの解説サイトがありますので、個人的な感想を書きたいと思います。ネタバレありです。
◇初っ端からエグイシーンがたっぷり!
1作目から、始まってすぐに主要人物の一人(若杉のアニキィ!)が愚連隊の腕をばっしっと切る!血がぶしゃああああ!!!
ただあまりにもあっさり切るからちょっと笑ってしまった。しかもこの人、刑務所でも出所の為に腹切ったりとどんだけ肝座ってんだよ。。
あとは菅原文太扮する主人公・広能が指をつめるシーン。ここものんびりとした雰囲気で進行してぐしゃああああ!!!!ポーンてかんじで小指切るから笑ってしまった。。
ともかく序盤からこんなんだからすっかり血みどろ耐性がついて。登場人物が滅茶苦茶に殴られたり刀や拳銃で殺されても、あぁ、またか・・・て感じになります。
そういうシーンがもうほんとにダメ!!!って方は誰かと一緒にみて、やばそうなシーンのときだけクッションで顔隠してもらうとかいいんでは・・・?!!
◇登場人物が豪華すぎじゃ!
まずですね、主人公の菅原文太がもうかっこいいのなんの!!!私は近年のおじいちゃん姿しか知らなかったのであまりの男前さに倒れそうでしたよ・・・。
角刈りにスーツで典型的なやくざっぽい格好がはまってて、1つ1つの挙動が本当に男前。さらに広島弁?あの方言がもうたまらんのじゃ・・・。
他にも、梅宮辰也や小林旭や松方弘樹や千葉真一などたっくさん。みんな男前でかっよすぎなんです。
一番びっくりしたのは田中邦衛。「北の国から」のあの優しいおじいちゃんのイメージだったのに作中トップレベルの外道じゃないですか!!笑
◇複雑なシナリオとテーマ
ストーリーはというと、これもまた面白い!個人的には1作目がシンプルにまとまってて1番好きでしたが、5作品すべて面白かったです。オールナイトでみても寝ないくらい。
ヤクザたちの思惑と策が交錯して思わぬ話の展開に。もう話がこじれるわぁこじれるわ。
けれどもテーマとか伝えたいことはしっかりしているように思います。上手くいっていた人があっけなく殺されることの諸行無常さ。信じていた相手にあっさり裏切られ。破滅する虚しさ。
印象的だったのが、広能組の新入りがあっけなく無駄死にしたのちのナレーション。
「戦いが始まるとき、まず失われものは若い命である。 そして、その死がついに報われた例がない。」
このナレーションとともに、画面は原爆ドームを映します。きっと戦争を含めた人間社会におけるすべての争いに対して言っているんだと思います。
◇山守のおっさんがすごい
広能が入る山守組の組長・山守義雄。このおっさんがもう外道!お金にがめつく、子分を何とも思ってなく、自分の利益しか考えてない、とにかく調子がいい。主人公の広能もこのおっさんに翻弄されて刑務所に入ったりしてます。
ただこ のひらすら調子がよくて、ウソ泣きしながら人情に訴えかけてきたり、何にも気づかずナチュラルに相手をこけ落としてたり、もう憎しみの感情が湧き上がってくるおっさんに対して、4作目を見ているころにはすっかり安心感が生まれたんです。
最終作になってもこのおっさんは相変らずで、少しはまるくなったり慈しみの気持ちが生まれたりなんてことは皆無!
もしかしたら複雑な展開をたどり、重要なキャラが突然殺されたりと緊迫感漂うストーリーに緊張疲れしていた視聴者にとって、何も変わらない山守のおっさんに安心感が生まれるのでしょうか・・・。
最終的に、このおっさんは人間という生き物の体現のような存在だなと感じました。しかもこんなに恨まれているのに5作目まで無事で長生き。 現実の世の中もこんなもんよね。なんかリアルなだよなぁ。
◇私は松永弘派です
俳優も豪華ですが、山守のおっさんをはじめとにかく癖のある魅力的な登場人物が多いです。そんな中私は2作目から登場する、成田三樹夫扮する松永弘が好きです。
好きな理由は、ぶっちゃけ顔です。ああかっこいい!それに加えて松永弘自体も、作中にしては珍しく仁義が残っているキャラなんです。
途中組長の指示に従って仁義に反すること(2部山中関連)もしますが、その時も自分の行動に責任を持っているような発言もありますし、最終的には仲間と争うことはできないという理由で極道をやめると。なんて筋の通ったいい男なんだ。顔めっちゃタイプだし。
◇どんだけ!多い葬式シーン
作中沢山の人が死ぬので当たり前なのですが、とにかく葬式のシーンが多いです。葬式で始まったり、終わったり。
ヤクザの人たちは相談葬儀屋の次に一番葬式に慣れていて詳しいのではないでしょうか。
◇名シーン・迷シーン多数
印象的なシーンがたくさんありました。けど、一番心に残っているのは1作目の序盤での若杉の兄貴と広能が刑務所内で兄弟の契りを結ぶシーンかな。。杯がないからってお互いの血をすするシーンは男らしさとその重さを表すとともに、極道とは血をすすって生きていくさだめというのを見せているようでした。
他に、主に山守のおっさんの奔放なシーンに迷シーン多数。ひょうきんな感じで子分にお会計払わせたり、泣き落とししたり、オールナイトではこのおっさんのシーンで大抵みんな笑ってました。こういう笑い大事だよね。
他にももっと書くべきことはあるんだろうけど、そろそろ眠くなってきたのでここまでで。いやほんとに、とっても素晴らしい作品に出会えました。また時間があるときに観返したいお思います。