睡眠は布団に限る!

本アニメ漫画映画などについて不自由な日本語で暑苦しく語ります

マスターキートンで私の人生もちょっぴり変わる

こんにちは。

4月頃からひそかに通販を駆使して読んでいたMASTERキートン

読み終えました・・・

読むのが今さらなのはいつものことなので許してください。

 

この作品を読んだ切っ掛けなんですが、

私が今の部署に異動する前、新卒で入ったEC関係の部署でのお客さんがあの超大企業

A〇〇〇〇Nだったんですが、

私が担当するカテゴリのバイヤーの方が飲み会の時に「マスターキートンを読んでオックスフォード大学に行きました!」と仰ってたんです。

その方は、

日本では早慶レベルの大学(オックスフォードが強すぎてどこだか忘れた・・・)をでたあとに社会人になったものの、マスターキートンを読んでオックスフォードに入学するという超すごい経歴の方だったんです。

もちろんオックスフォードの後は某大企業にて役職もついていたけど、転職して冒頭の企業に。

そのあと、A〇〇〇〇Nでも事業部の部長レベルだったにもかかわらず、退職して以前から起業していた会社が大きくなったのでこっち一本(A〇〇〇〇Nは兼業OKらしい)でやっていくと・・・

 

ふつーの大学でふつーの毎日を送っていた私にとっては漫画のような人でびっくりしました。

しかもA〇〇〇〇Nにはこのような方ばっかりなんですよ。すごすぎ。

そして当時の私は「一人の人生をここまで変えるような漫画なんて絶対すごすぎる」といつかマスターキートンを読む決意をしていたのでした。

 

 

 

時はそれから2年過ぎ(早く読めよ!)、

コロナで自粛期間中ふと思いつき、紀伊国屋書店通販でひそかにマスターキートンを購入し続けていました。

 

 

マスターキートンの簡単なあらすじをA〇〇〇〇Nから引用!

 

「日本人の父とイギリス人の母を持つ、平賀=KEATON・太一は、大学で考古学の講師をしながら、保険のオプ(調査員)をしている。また、英国軍のSAS(英国特殊空挺部隊)で、サバイバル術の教官をしていたという経歴を持つ。そんなキートンの夢は、考古学者として、幻のドナウ文明を発掘すること。異色の探偵、ここに登場!!」

 

 

MASTER KEATON / 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)

MASTER KEATON / 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者:浦沢 直樹
  • 発売日: 2011/08/30
  • メディア: コミック
 

 

 

 

 

〇主人公キートンの魅力

英国人と日本人のハーフ、オックスフォード大学卒、元SASのサバイバル教官(過去の様々な事件で活躍)とう経歴のキートン

やはり超チート主人公による俺TUEEE系の物語なのですが、このキートンは読めば読むほど本当に大好きになっていく沼要素があふれた人物なのです。

 

事件解決時には考古学研究で培った知識や軍経験での技術を駆使して戦ったり人を助けたり真相を暴いたり、神の視点で読む我々にとっては本当にすごい人。

なのに本人の自己評価としては、

"大好きな考古学研究だけで食べていけない"だったり、

"学生結婚した奥さんとは別れてしまうし、その間にできた娘にも立派な父親としての面目がたたない"とか思っちゃうんですよ。

 

作中でも子供だからと軽んじることもなく、困ってるけど意地を張って素直になれないお年寄りを助けてあげたり、性別や人種による差別に対してはっきりNOを言ってくれる、、、、文章にしてみると本当にすげーなこのひと。。

 

特にすごいなと思うのがキートンの異常なまでの洞察力。殺人現場に残されたわずかな証拠で犯人を突き止め、閉じ込められた時には些細な自然環境から活路を見出す、本当に目は2つだけ?と聞きたいくらいの観察眼。鼻もいいよね。

 

そして、子供たちと一緒になって遊ぶようなこども心を持ち、遺跡や珍しいものを発見したときに大喜びしてはしゃぐような無邪気さも兼ね備えてます。

 

↓ちなみに私はキートンの、心の中で「なんだとテメーこの野郎!!!」と思っているものの、軍経験と知識による圧倒的自制心を持ってとりあえずするこの曖昧な表情が好きです。作中何度もこの表情を見ることができます。

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〇ストーリーの完成度が高すぎる

 

基本的には1~3話完結の物語なんですが(作中でも娘の百合子が成長して進学するような時間の流れはあります。)、毎回の話の完成度が異常です。

 

殺人事件や誘拐、果ては国家機密に関わる陰謀に巻き込まれたり・・・。

短い話の中に伏線がたくさん、、、!どのコマにも意味があります。

 特に心に残ってるエピソードが完全版6巻収録の『青い鳥消えた』です。

普通に読んで混乱して3回くらい読み返した後にネットで解説を検索して読んだ後に、もう一度読み返しましたよ。笑

ほかに、私的に感動するのは伝説の話とリンクするような展開です。

事件が起きて、キートンが考古学的に伝説の話をしてくれて、「あれ、これ今起きてる事件と同じやん?!」ってなったり、

逆に伝説がヒントになって真相が分かったりピンチを切り抜けたり。

「昔のことを知るって、やっぱり大切なことだよな、歴史の先生もいってたなあ」と思いつつ、パズルのピースのようにぴったり当てはまる展開がすごい。

これはキートンじゃなきゃ解決できなかっただろうなと毎回思いますもの。

 

 

 

 

〇様々な価値観や問題が取り上げられている

前述したとおりキートンは人種やジェンダーに対してフラットな人物です。娘の百合子も女性の自立を訴えて周りの人間を叱咤しています。

けどこれって、発表された時代を思えばすごすぎるなと思いました。

今のこの時代でこそ日本でもLGBTや女性蔑視が叫ばれていますけど、当時は今よりも日本の保守的思考がかなり強く、女性は主婦になって男性を支えるのが当然、同性婚なんてもってのほか、外国人?なにそれ?のような時代だったはずなんですよね。というか、こういう問題っていまの日本でもがっつり残っていて、外国ではもっと進んでいるのに日本はかなり遅れてるって言いますもんね。

キートンの別れた奥さんは数学の教授として大成してますし、娘の百合子もその辺の価値観がかなりしっかりしています(受験関連の話は感動したぞ・・・)。

作中でもそういった差別が原因となった事件をたくさん扱っていて、舞台も海外なことが多いこともあり、決して他人事じゃないんだぞ!みたいな感じで、当時この作品を読んだ人の意識改革になったんじゃないかなと思いました。

 

 

〇歴史の勉強にもなる

作中ではキートンが考古学を研究しているので、世界各国の歴史の勉強にもなりますし、軍属関連で近代の民族紛争や戦争にまつわる事件がたくさんあります。

ベルリンの壁崩壊の時期だったからか東西ドイツの対立や、冷戦に絡んで米ソ連(ロシアじゃないんですよ!意外とソ連崩壊って1991年と最近なんですよね)の話、などなど。

他にも「IRA(アイルランド共和軍)」や「フォークランド戦争」など日本の歴史であまり大きく扱われない事件も題材になるので本当に勉強になります。この辺、大学では習うけど高校レベルだと受験対策の勉強になってサラッと済まされがちな気が・・・。

高校生の時に読んでおきたかった・・・という気持ちでいっぱい。

 

そして歴史以外で色々な知識を授けてくれるこの作品。

ネットだと「砂漠でに最適な服装はスーツ!」という知識が有名で、実際に試した人の記事もありますものね・・・。私もスーツを着て生きていこうかな・・・。

 

 

 

 

まだまだいろいろありますが、この作品は本当に多くのものを与えてくれる・・・。

さすがに私はオックスフォードを目指しはしないけど、色々考えさせられるよね・・・。(オックスフォードは大学生の時に観光で行ったので十分かな・・・。)

 

キートンには「ヨーロッパ文明の起源はドナウ川流域だ!ってことを証明するんだ!」という人生の目標があって、死にかけるたびにそれを口にしています。

20代後半にしてやりたいことも目標もない自分が本当にみじめに思えてきます・・・。

けれど、最近転職活動をしていることもあって「本当に自分がしたいことはなんなのか?」を考える機会が多く、この作品から様々なものを享受することができました。

 

 

未来は誰にもわからず、悩むことしかできないけど、辛いことがあった時には本棚の「マスターキートン」を読もうかと思います。